われのみや


『玉葉和歌集』に4首入集。そのうちの1首(巻第八 旅歌 1117)。

平経正朝臣摂津国にまかりて、など音づれぬぞと申して侍りける返事に申しつかはしける

われのみやいふべかりける別れ路は行くもとまるもおなじ思ひを

(訳)甥の平経正が摂津国に行って「どうして音信をくれないのか」と言ってきたときの返事に。
どうして私だけが悲しみを言うべきだろうか。別れにあっては、行く者も、留まる者も、同じ思いなのに。
平経正は、忠度の兄経盛の子。

元記事は「平忠度:熊野の歌」。